貴城けい芸能生活20周年記念作品!!『ビクター・ビクトリア』

レベッカ初日会見
左より:岡幸二郎、葛山信吾、貴城けい、彩吹真央、下村尊則

 アカデミー主演女優賞を受賞した映画『メリー・ポピンズ』(1964)のタイトルロールや、『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)のマリアなどで、日本でも馴染みの深いジュリー・アンドリュース
映画に出演する前にはブロードウェイやウェストエンドで、『マイ・フェア・レディ』のイライザや『キャメロット』のグウェナヴィアを務めていた世界的なミュージカル女優でありエンターティナーです。

 そのジュリー・アンドリュースのために、夫であり映画監督であったブレイク・エドワーズが脚本を書き、「♪ムーンリバー」でおなじみの映画音楽の大家、ヘンリー・マンシーニが作曲を手掛けた映画「ビクター・ビクトリア」。

 1982年に公開されたこの映画は、1930年代のパリを舞台に、売れないソプラノ歌手“ビクトリア”が男性に化け、女装のシンガーとして“ビクター”としてスターになったことで起こる騒動をコミカルに描いたミュージカル作品で、ジュリー・アンドリュースの歌唱力、コメディエンヌとしての才能、そして女性的な一面と共にある男っぽさを余すところ無く表現し、アカデミー賞でも7部門にノミネートされるヒット作となり、1995年10月には、ジュリー自身33年ぶりのブロードウェイ出演となるミュージカル『ビクター・ビクトリア』が開幕、公演開始前から大きな話題を呼んだ舞台も大成功を収めました。

 この『ビクター・ビクトリア』に今、芸能生活20周年の記念として挑んでいるのが、元宝塚歌劇団トップスターの貴城けい
2007年の退団後はミュージカル・ストレートプレイ・朗読劇・ショーなど舞台を中心に女優として精力的に活動し、最近では映画・TVドラマへとその範囲を広げている貴城が、妖艶なディーヴァと、スマートなタキシードの紳士、「女性を演じる男性」を演じる女性という複雑な役柄を演じます。

 共演は、ゲイの芸人・トディ役に下村尊則岡幸二郎という共に劇団四季出身でミュージカルを始め数々の舞台や映画で活躍する二人がWキャストでの競演。さらに、ドラマ・舞台と幅を広げる葛山信吾がマフィアのボス・キング役を、そしてビクターのライバルで物語の鍵を握るモンローガール、ノーマ役を宝塚では貴城の2期後輩に当たり、2010年4月に退団した彩吹真央、と実力と華を併せ持ったキャストが揃いました。

 演出は、長年俳優として活躍し、現在では大阪芸術大学教授・舞台芸術学科長を務める浜畑賢吉。振付は『42nd Street』『ミー&マイガール』などの本間憲一が担当、華やかなダンスと衣装で彩る上質なミュージカルショーを創り上げます。

 初日前に行われたキャストの会見では、作品の見どころを

「ミュージカル・コメディなので見どころと言ったら全部なのですが、話がライトで非常に楽しくて、音楽も素晴しいし、振付がまた素晴しいのですが、一つ挙げるならばやはり貴城さんが男女を演じる部分でしょうか。」

葛山「話の中に色んな人の人生が出てきて、それが本当に面白く描かれていて、歌もありショーの部分もありで、観ていて展開が早くて飽きない作品だと思います。」

下村「ショービジネスの話なのでショーナンバーが沢山有るということは魅力的だと思います。後はやっぱり、人が人を愛するということは素晴しいということを今日演じていて感じました。」
ときっちりコメントする男性陣に対して

「コメディで楽しく軽い作品なので、お客様にも軽い気持ちで楽しんで観ていただけるかな、というのがこの作品の一番の魅力だと思います。後は彩吹さんの下着姿でしょう。」との貴城けいの発言に、「ちょ、ちょっと!!」と慌てる彩吹真央

貴城「掴み所です(笑)。」

彩吹「下着姿も披露したいところですけれど・・・」

貴城「脱いじゃえ!」

彩吹「えー!」

とのやりとりに周囲は爆笑。しかし「この作品の中には、とても男性らしい人、とても女性らしい人、そしてゲイの人と、色んな性別を超えた人間模様が凄く描かれていると思うので、色んな方に観ていただきたいと思います。」と改めてしっかりと作品の魅力をアピールする彩吹でした。

 稽古期間があまり長くなかったため「凝縮して創り上げた」とのことですが、「演出家の浜畑さんが非常に役者を遊ばせてくれるというか、好きにやらせてくれるので、毎日毎日新しいものを役者は持って来る訳ですよ。これを持っていってみて演出家がどう判断するかな、という役者にとっては非常に面白い、家に帰って明日はああやってみよう、こうやってみよう、というのが面白かったです。その場の空気で瞬時に何が起きるか分からないので、その為にそこで笑いが起きたりとか、コメディってそういうものだと思うんですよね。」(岡幸二郎)というのも実力派のキャストが揃った舞台ならではの事。

 Wキャストのトディ役を相手にする貴城も「私が一番トディさんと絡んでいるんですけれど、もう好き放題だから(笑)、私も好き放題受けようと思って、ある意味固めずにその場の感覚で演じるということを今回凄く勉強させていただいているな、と思います。」と、“放し飼い稽古”と呼ばれる中でのやり取りを楽しんでいる様子。

 今回の「女性を演じる男性」を演じる女性、という複雑な役柄についても、
「もっと大変かなと思っていましたが、案外難しくなかったですね。このお話をいただいた時にはビクターとビクトリアを演じ分けようと本気で考えていたんですが、放し飼い稽古のお陰で色んな事を自分自身が発信していったら「そんなに変えなくていいんだ。二役というものではなく、ビクトリアがビクターとして生きている。」と言う事を凄く感じて、今は逆に一人の人物として演っているのでややこしくないですね。御覧いただいているお客様は「えっ?えっ?」ってなるかも知れないですけれど、自分自身はそんなにややこしくなくなりました。」と、余裕をみせます。

 また、この公演では男装と女装、燕尾服とドレス姿を披露しますが、「燕尾服を着ている方が演りやすいです(笑)。何ででしょうね。もう辞めて五年目になるのに何故か燕尾を着ると落ち着くというこの感覚・・・。やっぱり永年着慣れているのが。久しぶりに着させていただいて何か落ち着くなと思いましたね。これ(ドレス)より全然落ち着くな、みたいな(笑)感じですね。」ということで、宝塚時代に培った着こなしはまだまだ健在のよう。これには「僕たちより似合っているしね(笑)。全員燕尾を着るんですけど、一番似合っているのがねぇ・・・。」と男性陣も脱帽の態でした。 

 最後に改めて
岡幸二郎「とにかくミュージカルコメディ。楽しく、明るく、観に来るお客様も楽な気持ちで観に来て下さい。きっと帰りにはほんわかした気分で帰れると思います。是非劇場で。」

葛山信吾「公演期間が短くてちょっと勿体ないなという思いがあるんですけれど、一回一回本当にどんどん成長していく作品になると思います。そうなるように僕自身頑張りたいと思っていますので、是非観にいただきたいと思います。」

彩吹真央「ダブルキャストのお二人から刺激を頂き、そしてキングさんには刺激的な振りで悩殺し、そして貴城さんとは宝塚で久しぶりの共演をさせていただくので、色々な刺激をいただきながら、私自身も楽しんで、皆さんに楽しんでいただける作品だと思いますので、千穐楽まで頑張りたいと思います。」

下村尊則「キングは「男でも女でも構わない、君が好きだ!」って言います。とても好きなセリフです。この作品を観て本物の恋を知りに来て下さい。」

貴城けい「愛が溢れている作品だと思います。一人一人の個性的なキャラクターも魅力的ですし、そして音楽・ダンス、もちろん全体のお芝居としてもとても楽しいものに仕上がっていると思います。今震災があり、節電など暗いニュースも多いですけれど、この舞台を観て元気になっていただけたら嬉しいなと思います。精一杯頑張りますので、是非皆さん、観にいらしてください。」

と観客に向かってアピール行ったキャストたち。

 最高のキャストとスタッフが贈る、貴城けい芸能生活20周年を飾る、魅力満載のブロードウェイミュージカル『ビクター・ビクトリア』。
お洒落でハートフルな抱腹絶倒のミュージカルコメディの決定版といえそうです。

 

ブロードウェイ・ミュージカル
『ビクター・ビクトリア』 

キャスト  貴城けい、葛山信吾、岡幸二郎/下村尊則(Wキャスト)、彩吹真央 他
スタッフ 演出:  浜畑賢吉
振付: 本間憲一
脚本: ブレイク・エドワーズ
音楽: ヘンリー・マンシーニ

 

公演情報
東京公演
日程 2011年7月16日(土) 〜7月24日(日)   全11回公演
会場 ル テアトル銀座 by PARCO
料金 S席 11,000円 (全席指定・税込) ※未就学児のご入場は御遠慮下さい。
問い合わせ先 サンライズプロモーション東京  0570-00-3337(全日10:00〜19:00)

大阪公演
日程 2011年7月30日(土) 13:00開演 / 7月31日(日) 12:00開演
会場 森ノ宮ピロティホール
料金 11,000円 (全席指定・税込) ※未就学児のご入場は御遠慮下さい。
問い合わせ先 キョードーインフォメーション  06-7732-8888

 

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