東野圭吾原作コメディ!?『あるジーサンに線香を』
左より:おりも政夫、モト冬樹、山本陽子、愛華みれ
「容疑者Xの献身」(2006年)「真夏の方程式」(2011年)などのガリレオシリーズを始め、「白夜行」(1999年)「流星の絆」(2008年) 「麒麟の翼」(2011年)など多数のヒット作を産み出し、テレビ・映画・舞台など数多く実写化もされている人気作家・東野圭吾。
江戸川乱歩賞(1985年)、日本推理作家協会賞長編部門(1999年)、直木三十五賞(2006年)、本格ミステリ大賞小説部門(2006年)、中央公論文芸賞(2012年)などの数々の受賞歴を誇り、ミステリー作家、サスペンス作家として、ファンの多い東野圭吾ですが、1995年に刊行された「怪笑小説」(1995年、集英社/1998年、集英社文庫)は、ちょっと毛色の変わった短編ユーモア小説集であり、全部で9編の作品が収められています。
その中の一つ「あるジーサンに線香を」は、その題名からも推察出来るように、映画化・舞台化もされたダニエル・キースのSF小説「アルジャーノンに花束を」をモチーフに書かれた一編。その小説を原作にして2012年4月に創られた舞台『あるジーサンに線香を』の再演が11月3日の亀戸公演を皮切りにスタートし、11月29日より銀座博品館劇場にて上演されます。
作品の舞台は病院。妻に先立たれた孤独なジーサン、87歳の佐川照男は腰を痛めて入院していた。物忘れが激しく、自分が惚けてしまうのでは、と死を恐れ、不安に駆られていた照男の前に死んだはずの妻・扶美がゴーストとなって現れる。医者と女医から<若返りの実験>に協力して欲しいと頼まれた照男は、扶美が止めるのも聞かず承諾書にサイン。実験は成功し、ジーサンは60歳、40歳、20歳と、どんどん若返り、次々に若い女性と恋に堕ち、青春を取り戻していくが・・・。
単なるコメディではなく、夫婦とは? 死とは? 仕事とは? 会社とは? 日本人とは? 今の若者とは?・・・様々なテーマが織り込まれた深みのある本作。
“ものまね四天王”として人気を博し、個性的なキャラクターを活かしてCMやテレビドラマにも多数出演するモト冬樹が、87歳から20歳まで若返る幅広い年齢の主人公・照男を熱演、ゴーストとなって照男を見守る妻・扶美には映画・テレビドラマ・舞台・CMなど多方面で活躍、今年芸能生活50周年を迎えた山本陽子が扮します。
そして、ジーサンに若返りの実験を行う医者と女医には元フォーリーブスのおりも政夫と元宝塚歌劇団花組トップスターの愛華みれ、主要な役どころには初演のキャストが再結集しました。
さらに、今年7月にAKB48を卒業したばかりの松原夏海が、照男が入院した病院の売店の娘・井上千春を演じるのを始め、桜乃彩音、坂元亮介、田村幸士、川和郁子、おおらいやすこ、草野元紀らの新しいキャストを加えて、さらにグレードアップ・パワーアップしたストーリーを綴ります。
ちなみに「あるジーサンに線香を」を原作にしての舞台化が最初に企画されたのは2011年で、4月に上演が予定されていましたが、同年3月11日に起きた東日本大震災の影響により公演は中止、幻の初演となってしまいました。そして一年後の2012年4月、東京・三越劇場と名古屋・中日劇場での復活公演が行われ、主役のジーサンを演じるモト冬樹の若返りに連れての扮装や口調、仕草などは一見の価値が有ると多くのお客様から好評を得て、今回の再演に繋がりました。
初日を前にしての会見にはそのモト冬樹を始め、山本陽子、松原夏海、愛華みれ、おりも政夫の5人が登場。若返っていく役作りの苦労や、作品の見どころなど、この舞台の魅力について語ってくれました。
この会見の詳細は、こちらのページをご覧ください。
これまで多くの実写化が行われて来た東野圭吾作品ですが、映像・舞台では初めてのコメディタッチ作品となる『あるジーサンに線香を』。
東野作品の異色作がどのように舞台化されたのか。是非劇場に足を運んで、ご自身の目でお確かめください。
『あるジーサンに線香を』
〜若返ったら、あなたはもう一度恋をしてみますか〜
公演情報
スタッフ | 原作: | 東野圭吾「怪笑小説」所収(集英社刊) |
---|---|---|
脚本: | 福田卓郎 | |
演出: | 中村金太 |
キャスト | モト冬樹、山本陽子、松原夏海、愛華みれ、おりも政夫、 |
---|---|
桜乃彩音、坂元亮介、田村幸士、川和郁子、おおらいやすこ、草野元紀 |
日程 | 2013年11月29日(金)〜12月8日(日) |
---|---|
会場 | 銀座博品館劇場 |
料金 | 前売・当日8,000円(税込・全席指定) |
問い合わせ先 | キョードー東京0570-550-799 (平日12:00〜18:00/土一日祝10:00〜18:00) 博品館劇場IF TICKET PARK 03-3571-1003 |
日程 | 2013年11月3日(日) 15:00開演 |
---|---|
会場 | 亀戸文化センター・カメリアホール |
料金 | 前売・当日 6,000円(税込・全席指定) |
問い合わせ先 | 江東区亀戸文化センター 03-5626-2121(9:00〜21:00 第2、第4月曜除く) キョードー東京0570-550-799 (平日12:00〜18:00/土一日祝10:00〜18:00) |
<地方公演> .
【南相馬公演】 2013年11月 8日(金) 南相馬市民文化会館大ホール
【金沢公演】 2013年11月19日(火) 北國新聞赤羽ホール
【京都公演】 2013年11月17日(日) 京都芸術劇場・春秋座